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執筆者の写真kampo shinsendo

気管支喘息 その15

気管支喘息 その15


風と熱によって起こる気管支喘息


 同じ実の喘息でも、熱性の病因に感染して病根が刺激されると、実の喘息の発作のほかに、発熱や頭痛、汗が出る、たんのからむ音がする、たんが黄色く粘性が強い、イライラする、顔が赤い、のどが渇いて冷たいものを飲みたがる、便秘、といった症状が現れます。


 舌は紅く、舌苔は黄色くベタッとします。


 脈はなめらかにふれ、脈拍数が多くなります。


 この場合は、肺の病根を取り除き、せきや呼吸困難を止める「越婢加半夏湯」が合います。


 エキス剤なら、不要な水分を取り除く「越婢加朮湯」に、痰を取り除く「二陳湯」か「半夏厚朴湯」、さらに桔梗や石膏を加えるといいでしょう。


 五虎湯や、「五虎湯」に「二陳湯」を合わせて使っても効果的です。


 もともと痰の多い人がカレーやステーキなど、辛いものや油っこいものを食べ過ぎて発作を起こした場合は、病気は肺よりも胃にあるので、「白虎湯」が有効です。


 また、「防風通聖散」を中心に、「半夏厚朴湯」や「五虎湯」、「二陳湯」などを併用するのもいいでしょう。

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